この本を読みました。
西岡文彦 著 |
「ピカソは本当に偉いのか?」
帯の後ろにはこんなことが書いてあります。
1)この絵は本当に美しいのか?(どこが上手なのか)
2)見る者にそう思わせる絵がどうして偉大な芸術とされるのか?
3)かりに偉大な芸術としてもどうしてあれほどの高値がつくのか?
まさに、だれもが一度は思った疑問が書かれています。
この上の疑問についての回答はこの本の最後の章でちゃんと書かれているので、結論がうやむやなまま終わる本ではありません。
結構、ずばっと解をだしています。
さて、この本を読み終わったときに思い出した本があります。
それは、
村上隆の「芸術起業論」です。
左が芸術起業論 村上隆著 |
この本の中で「芸術(ART)を売ろうとした場合はちゃんとルールに従わなければならい」とういうようなことが書いてあったな〜とことを思い出したからです。
芸術起業論では欧米で芸術を売るにはいろいろなお約束ごとというかその作品を過去のアートの歴史にひもづけて説明できるようにしとかないとだめだみたいなことが書いてありました。
そして、今回読んだ「ピカソは本当に偉いのか?」にはどうやって今のようなアート市場ができあがったのか?が書いてありました。
芸術を売るためのノウハウが書かれてた本と、その土台がどのように出来上がったがわかる本。どちらも相乗効果で意味が深まる訳ではなく、芸術起業論をピカソは本当に偉いのか?が補完する関係だと思います。
まさかこんな古い本の中身を思い出すとは思ってもいなかった「ピカソは本当に偉いのか?」ですが、本の中身はピカソという人の人となり、アート市場がうまれた背景、そしてキュビスムの出発点になった「アヴィニョンの娘たち」をピカソ作品の代表として上の三つの疑問についての解説がされています。
本の中でピカソがアフリカの仮面をみてそれらに呪術めいたものを感じて自らの魔除けとして描いた作品が「アビニョンの娘たち」だという一説がありました。
もしかすると魔除けというよりはピカソが芸術にかけた呪いなのかもしれません。
それは、アートは一般人にはわかりづらく、そのわけのわからない面妖な作品が高値で取引されるアート市場が君臨するという呪い。
芸術=マネーという世界が実際にあって芸術が通貨となっている今の世の中ってなんなんだろうな〜とちょっと深く考えるきっかけを与えてくれる本だと思います。
ちょっとまじめにまとめてしまいましたがたまにはこんなのもいいかも。
明るくなりたいときはこの一つ前のブログを読んでくださいね(なにげに他のブログを宣伝する私でした。)
では!
一応Amazonへのリンクを貼っておきます。(一銭も儲けはないけど)
ピカソは本当に偉いのか?
http://www.amazon.co.jp/ピカソは本当に偉いのか-新潮新書-西岡-文彦/dp/4106104911/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1358680421&sr=1-1
芸術起業論
http://www.amazon.co.jp/芸術起業論-村上-隆/dp/4344011783/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1358680585&sr=1-1
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